合理的 非合理的
仕事をする上で、合理的なのは当然だ。
日常生活でも合理的なほうを選ぶようになってきたと思う。
時々、自分が冷たい人間に感じてしまうのは合理的を求めてしまうから。
だけど、
子育ては、非合理的である。
例えば、っていうか、懐かしい話になるが、
うちの子娘が2歳になる少し前かなー、朝ごはんを食べさせてたら、半端なく
イヤイヤだし、泣いて暴れて、お手上げだった。
妻は最近、朝ごはんはこんな感じが続いているとため息。
パパとの朝ごはんで少し雰囲気が変わっておとなしく食うかと思ったらしいが、
全然、ダメ。
俺は、アンパンのビデオをつけ、テレビに集中してるうちに、ご飯を口に放り込む
作戦をとった。
娘は黙って口を開け、もぐもぐ食べていた。
おかずもご飯も、完食。
ついでに歯磨きもした。
ビデオをしまじろうに変え、オムツを替えてパジャマから洋服に着替えさせた。
食事の時のイヤイヤが嘘のようにその後もおとなしくしていたので、妻は洗濯物やら食事のかたずけを終わらせていた。
俺は当時は愛煙家だったので、ベランダでタバコをふかしたり、コーヒーをすすったりしていた。
気がつくと娘はビデオを見ながら眠っってしまっていた・・・。
非常に合理的である。
騒ぐ子供にビデオを見せれば、とたんにおとなしくなり、作業効率はアップする。
それから1年後、長男が産まれた。
長女は赤ちゃん返りをし、イヤイヤ期復活。
朝ごはんを食べなかった。
俺はあの作戦を思い出してビデオをつけようとすると妻は、娘に言った。
「ご飯食べたら、ママのお手伝いしてくれる?」
娘「ママのおてつだい、やりたい」
そう言うと娘は好きなおにぎりと果物だけを食べ、ごちそうさま、と言い、
洗濯機から出してきた物をよいしょ、よいしょ、と引っ張って来た。
妻は、娘が干しやすいようにと部屋の中に物干しハンガーを設置していた。
娘は洗濯物のかごをひっくりかえし、洗ったばかりのタオルや靴下を見よう見まね
に洗濯バサミのついたハンガーに干していった。
娘は少しすると飽きてしまい、テレビを見たがった。
妻は、娘を呼び戻し、洗濯物の続きをやらせていた。
シャツはパパが着てるみたいに干してね、とか、自分のパンツは干せた?とか
いちいち声かけしながら、で、いちいち手直ししながら干してた。
かれこれ45分、洗濯物を干していた。
これが日常的らしい。
非合理的である‼︎
娘にビデオを見せれば、その間に食事も洗濯も終わるのに。
俺はそう思っていた。
妻は、効率の悪い事をなんどもするし、娘にもさせている。
大人としてちょっと鈍臭い、と思った。
や、それは俺の間違いだった。
今朝、娘は、ありえない速さで洗濯物を干し、新学期を迎えた。
「パパー、朝ご飯食べたら食器は食洗機に入れて回しといてね。」
妻は俺を残して仕事に行った。
何だろう、冷たさを感じるが、嫌いでない感触。
・・・妻は、合理的?